2009年04月08日

土方巽さんの誕生日で思い出したこと

 このブログを休んでいる数ヶ月の間に間に色々なことがあった。
 そのひとつ、3月9日にはPLAN−Bで『土方巽81回目の誕生日』という催し物があった。出演者と観客という関係はなく、きりたんぽなどをご馳走になりながら、参加者みんなが土方さんについて何か語る会だ。私も土方さんの思い出を語った。
 80年代初頭にPLAN−Bで土方さんの業績を映像で紹介する会を行ったとき、私は膨大な数の写真の複写や写真を8ミリで再撮影して映画化する仕事を担当した。
 「土方さんの業績を映像で紹介する会」という言葉で連想するのとはまったく違った内容の会だった。 静止画だからといってパシャッパシャッとスライドを切り替えていくようなおとなしい会ではない。スライド一枚一枚をピン送りしたり、映写機を振り回して映像を乱舞させたり、シングルスクリーンからマルチスクリーンに切り替わったり、一度固定し、定着してしまった映像に息を吹き込むライブパフォーマンスだった。
 そのころ、レゲエにおいてダブとかDJというものがというものが重要な役割を持っていることがわかり始めていた。何枚かの音盤を聞いて、なるほどこういうことかと納得した。スクラッチなどのDJ文化が炸裂するヒップホップは、まだ目立ってはいなかった。
 私は実験映画やビデオアートの制作以上に映像パフォーマンスにのめりこんでいた。それは、パッケージ(ソフト)とライブということを意識していたからだ。一度パッケージ化した映像を、もう一度ライブパフォーマンスの場で蘇生すること。そんなことを考えていた。
 その時に出会った土方さんの記録映像への向き合い方は、非常に刺激になったことを覚えている。
 『土方巽81回目の誕生日』で私が話したことはもっと別の話だが、ここ数日映像パフォーマンスということを考えていたら、土方さんのことと当時自分が映像パフォーマンスについて考えていたこと、どんなところから刺激を受けていたかなどなど思い出した。
 いまや歌謡曲のバックでもDJがいたりするが、当時はDJ自体が目新しかった。
 土方さんがスライドや写真に息を吹き込んだのと、DJが行うスクラッチなどの技法とはまったく違う。だが、一度完成したソフトを、もう一度生々しく蘇らせようという意識は共通している。
 このあたり、もう少し考えてみよう。


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posted by 黒川芳朱 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月07日

イメージフォーラムフェスティバルでパフォーマンスをする

 来る4月28日、イメージフォーラムフェスティバルでパフォーマンスを行う。新宿パークタワーホールで、19時30分からのFプログラム。
 私は美術家の大串孝二さんとのデュオパフォーマンス『Body Scan』の第三弾だ。このプログラムでは他に万城目純さんの『Nyo Nyum』、足立智美さんの『マイクロフォンとしてのカメラ』と合計3組がライブパフォーマンス行う。
 イメージフォーラムフェスティバルでのパフォーマンスは、過去に2回行っているが、今回はひときわ感慨がある。先日も書いたが、大串さんとのデュオをきっかけに、パフォーマンスというものについて再び考えることになったのだ。
 美術と映像、イメージと物質と身体、などなど、書きたいことは色々あるのだが、いまは言語化するよりもパフォーマンス化するほうに専念したい。とりあえずカタログ用に描いたコメントだけ、ここに掲載しておく。

Body Scan
肉体、死体、胴体、固体、液体。
体で走査する、体に走査する、体を走査する、体は走査する。
情報、イメージ、観念は本来物質や身体を基盤にしている。
このパフォーマンスは、観念を物質と身体の次元に引き摺り下ろし、場と体内に情報が運行を始め、イメージが立ち上がってくるさまを目撃する行為の場である

 やれやれ、まるで60年代だなと思う反面、まさに2009年の問題意識だという自負もある。あらためて、言葉でもきちんと展開したいがその前に行動だ。見るまえに跳べ、なんてまたまた60年代だな。

とりあえず、こうご期待。

イメージフォーラムフェスティバル2009の詳細についてはこちらをクリック。

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posted by 黒川芳朱 at 23:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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