2008年07月11日

泥のプール伝説

 7月6日、昔やっていた穴掘りのアルバイトについて記事を書いた。私のつまらない冗談にもまめに反応してくれるコメントの常連ジュンタさんから、「座布団5枚」を頂戴した。また、ominamiさんからもコメントをいただいた。「内容と関係ないので申しわけないが」と断った上で、愛知児童総合センターでの子どもとの活動のひとつ、1泊2日で穴を掘ってまた埋める「あなをほる」をご紹介いただいた。URLも併記されていたので拝見したが、確かに興味深く感動的だ。
 私も子どもの頃、うちの庭に穴を掘り、上に古くなった雨戸の板をかけ、軽く砂を盛って地下秘密基地と称して喜んでいた。小学校の高学年になると男の隠れ家趣味は卒業したが、アンダーグラウンド趣味のほうは以来抜けなくなってしまった。
 自分の体がスッポリ入る穴を掘るということは、何か根源的な感動があるものだ。そのときの秘密基地は、子ども3人ぐらいは入れる大きさだった。
 愛知児童総合センターのワークショップで、もうひとつ思い出したことがある。創形美術学校の学生だった頃、版画科にオザキ君というユニークな男がいた。私もバカばかりやっていたが理屈っぽかった。しかし、オザキ君はすっこ抜けていた。彼は時々、生活と表現の境目をぼかすような不思議な事をしでかした。
 当時、学校は中央線の国立駅と南武線の谷保駅を結ぶ大学通りから少し入ったところにあり、学校の前は空き地だった。その空き地で、われわれはバレーボールをしたり、野球をしたり、飲み会をしたり、野外パフォーマンス(当時はイベントあるいはハプニングといった)をしたり、文化祭の会場になったり、好き勝手に使っていた。
 あるとき、オザキ君がその空き地を掘り始めた。手伝う奴が何人か現れ、穴ができあがった。人が何人も入れるかなりでかい穴である。するとオザキ君は学校の外にある水道からホースを引き、穴に水を溜め始めた。下は土だが、かなりの勢いで水を出せば、それなりに溜まる。溜まったところでオザキ君は服のままプールに入り泳ぎ始めた。穴を掘っていた連中も飛び込みみんな泥だらけになった。ひとしきり泥んこになったところ、水も引き始める。するとオザキ君たち一行は泥だらけの姿でパレードし、学校から国立駅、谷保駅、学校と大学通りを往復したという。たしか、「泥のプールで泳ごう」というプラカードを持っていたのではなかったかと思う。話が曖昧なのは、私自身は見ておらず後から聞いた話だからだ。
 以上が「泥のプール伝説」である。余計な解釈はせず、じっくり味わっていただきたい。

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posted by 黒川芳朱 at 10:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いい話だなあ。やりたいなあ。
Posted by ジュンタ at 2008年07月11日 12:58
いい話だなあ。
国立ウッドストック。
Posted by ジュンタ at 2008年07月11日 18:03
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