2008年07月13日

切り絵の町

 朝起きておもてに出ると、強い日差しがくっきりと道に建物や木や電線のとても面白い影を落としている。家の近所は曲がりくねった路地の住宅地で、2階より高い建物はない。だから、影が道をすっぽり覆うということはあまりなく、路面に建物の形がわかるように影が落ちている。光と影が程よく分布し、まるで影絵の町の中を歩いているようだ。日差しは刻々と変化するので、影絵の町は雰囲気を変える。
 建物に対して斜めに日光が当たれば、路面に影が落ちる。道路の伸びる方向の延長線上に太陽があると、道に建物の影はほとんど投影されず、電柱や電線の陰だけになる。
 去年の真夏日、今日よりずっと日差しの強い日があった。わたしがおもてに出たとき、ちょうど太陽は頭上にあり、路上に建物の影は落ちていなかった。ただ、くねくねとした道に、それとはまた少し違ったくねり方で電線の影がくっきりと刻まれていた。強い日差しの中、まぶしい視野と暑さ、建物の影がないことが私の重力感覚を麻痺させた。道と電線の影の進行方向が微妙にズレ、方向感覚が狂う。私はまるで、宙を歩いているような錯覚に襲われた。白昼夢のような感覚だった。
 今日も影絵の町を歩いたが、あの日の感覚とは違っていた。何か条件がそろわなかったのだろう。
 いとおかし。
 
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posted by 黒川芳朱 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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