2008年09月12日

デジャビュー

 きのう(11日)のことになるが、朝の通勤電車の中で私の前に立った男性が朝日新聞の朝刊を開いた。彼の頭越しに一面の記事が見える。「サンゴ7割消えた/地球異変/水温上昇で白化/沖縄・石西礁湖」
 あれ、これ、あれじゃない……? 
 この記事、きのう(10日)読んだぜ、この電車の中で。
 私の家も朝日新聞を取っている。きのう(11日)も鞄の中には朝日の朝刊が入っていた。電車が混んでいるので新聞を広げるタイミングを逸したが、きのう(11日)の一面トップは「総裁選麻生氏が優勢」という見出しだった。家を出るときに確認した。
 きのうという言葉が混乱している。今日は12日。きのうは11日。きのうの朝の私は、きのうのきのう、つまりおととい電車の中で新聞を読んだ自分を思い出している。
 目の前の男性が広げている新聞には、水中写真が載っている。青いバックに、サンゴの先端が崩れた写真だ。あの写真もきのう見たし、キャプションも読んだ。記事ではこの5年間で沖縄県石西礁湖のサンゴが7割の減ったということだった。
 きょうはきのうなの? 俺がタイムスリップしたのか。だとしたらどのタイミングだ? 地下鉄の駅の入り口が過去への入り口だったのか。
 それとも、この男性がきのうからやって来たのか。
 いや、この男は新聞を見ているきのうの私で、その私を見ている今日の私がいて、私の後ろにはそんな私を見ている明日の私がいて、さらにその後ろには明日の私を見ている明後日の私がいて、この電車の車両の中は全員時間軸上の私で、この電車は無限後退電車なのか。 
 この数日、『猿の惑星』を見たりしていたので、頭がタイムとラベルモードになってしまった。無限後退の説明は『猿の惑星』の中に出てきた。
 まあ、タイムトラベルはさておいたとして、この男性はなぜきのうの朝刊を、今朝の通勤電車の中で読んでいるのだろう。その理由を、SFチックにではなく、リアルに想像してみるのも面白い。
 この男性は、あえて一日前の新聞を読むことを日課としているという可能性もある。どうせ、テレビやインターネットでその日の新しいニュースは入ってくる。だとしたら、1日の時間差をもって新聞を熟読することで見えてくるものもある。
 あるいは、きのう朝刊を持って家を出たあと、なにか不測の事態が起きて夜通し事に当たり、いまやっと新聞を読む時間が出来たのかもしれない。では、その不測の事態とは何だったのだろう。
 などなど、考え始めるとイメージがどんどん膨らんでくる。

 あっ、もうひとつデジャビューがおこった。朝日新聞とサンゴと一面と水中写真いえば、その昔サンゴに落書きしたやらせ事件もあったな。ははは。

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posted by 黒川芳朱 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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