会場は中野のテルプシコール。
杉田さんは舞踏家なんだけど、いつも舞踏以外のものの味がする。情念的なものは感じられず、踊り手は人工的なキャラクターを目指しているようだ。また、小道具というよりは物とデュオで踊ることがある。かつて観た脚立を使った踊りと自転車を使った踊りが印象的だった。きょうも、会場に入ると、紗がかかった和紙が天井から垂れ下がり、その向うに脚立が見えた。公演の後半で、脚立を使った踊りがたっぷりと披露された。
杉田さんは80年代にライブスペースPLAN−Bのカレンダーに、毎月エッセイを連載していた。そこでは、アルフレッド・ジャリと小泉今日子とメイエルホリドが同時に論じられ、オペラと人形芝居とスラプスティック・コメディへの愛が綴られていた。自分の舞踏のことを「オドリ」と呼び、オドリは内的体験の告白ではなく、誇張であり、引用であるというようなことも書いてあった。
杉田さんのオドリは、今日も変わっていなかった。舞踏からはみ出す舞踏であり、回収不能な地点をめざしているのだろう。だから舞踏なのだ。
観ているときは気づかなかったが、今思い出すと杉田さんのシルエットがある瞬間ユビュ王のようだった。
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ラベル:舞踏
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