2008年09月13日

『舞踏寄席●杉田丈作独舞会』を見た

 久しぶりに舞踏を見た。杉田丈作さんのソロ公演だ。杉田さんの踊りを見るのも久しぶりだった。面白かった。
 会場は中野のテルプシコール。
 杉田さんは舞踏家なんだけど、いつも舞踏以外のものの味がする。情念的なものは感じられず、踊り手は人工的なキャラクターを目指しているようだ。また、小道具というよりは物とデュオで踊ることがある。かつて観た脚立を使った踊りと自転車を使った踊りが印象的だった。きょうも、会場に入ると、紗がかかった和紙が天井から垂れ下がり、その向うに脚立が見えた。公演の後半で、脚立を使った踊りがたっぷりと披露された。
 杉田さんは80年代にライブスペースPLAN−Bのカレンダーに、毎月エッセイを連載していた。そこでは、アルフレッド・ジャリと小泉今日子とメイエルホリドが同時に論じられ、オペラと人形芝居とスラプスティック・コメディへの愛が綴られていた。自分の舞踏のことを「オドリ」と呼び、オドリは内的体験の告白ではなく、誇張であり、引用であるというようなことも書いてあった。
 杉田さんのオドリは、今日も変わっていなかった。舞踏からはみ出す舞踏であり、回収不能な地点をめざしているのだろう。だから舞踏なのだ。
 観ているときは気づかなかったが、今思い出すと杉田さんのシルエットがある瞬間ユビュ王のようだった。

ランキングに参加しています。ワンクリックお願いします。
にほんブログ村 その他日記ブログ つれづれへ
人気ブログランキングへ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜本日おかしばなしトップへ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
 
ラベル:舞踏
posted by 黒川芳朱 at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック