午前中のクラスでは、生徒はみんなブラウス姿だったのだが、午後1時25分からののクラスでは4、5人カーディガンを着ている女の子がいた。暑くないの、と聞くと、えー寒いよ先生、と返事が返ってきた。そのうちの1人はさらにパーカーのようなものまで着ている。彼女が言うには、「あたし、暑いっていわれた8月31日の夜にもこの服装で出かけたから」とのことで、ようするに寒がりらしい。
濃紺のカーディガンは学生らしくていいものだが、まさかきょうお目にかかるとは思わなかった。私の体感ではきょうは暑い、暑かった。
この高校では冷暖房の使用時期が制限されていて、去年11月に教室の暖房をがんがんつけていたら、専任の先生に注意された。12月に入るまで暖房は使ってはいけないというのだ。芸術科では暖房を使っていると職員会議で問題になったらしい。フフフ、犯人はこの私だ。
夏の冷房の解禁がいつかは聞いていないが、7月のはじめごろに授業は終わるので、おれは冷房は使っていない。今日もそうだったが、窓を開けていれば風が入り比較的涼しい。
そういえば夏休み前、この学校の芸術科の先生方との懇親会で居酒屋に行ったとき、ひとりの先生が「冷房のない学校に慣れているので、どこに行っても寒い」といっていたのが印象的だった。この学校以外の専門学校2校では、エアコンの使用は当たりまえだ。
エアコンだけではなく、電気を消すのも早い。2月ごろ卒業制作の指導で夕方5時ぐらいまで残ったとき、教室から廊下に出ると、廊下は電気をつけず真っ暗だった。それなりに生徒や先生もまだいるのだが、真っ暗なのでびっくりした。専門学校では夕方5時に真っ暗ということはまずない。おれが教えている専門学校のうち、一校の先生がこの高校に学校説明のための訪問に来て、帰るとき廊下が真っ暗だったといって、やはり驚いていた。
体感温度や明るさに対する感覚といったものは、一見生まれつきのもののように思っているが、社会的な産物という面もあるのだなあと思った。
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