2009年09月03日

Avidのセミナーに行ってきた

 Avidというのは映像編集のソフトというかシステムで、ウィンドウズでいえばムービーメーカー、マックでいえばアイムービーのうんとプロ用のものだと思えばよい。
 私が使い始めたころはマックで使うシステムだったが、その後ウィンドウズでも使えるようになった。いま教えている学校でもこれを導入している。
 セミナーは『テープレス時代を生き抜くためのAvidワークフローセミナー』というタイトルだった。最近はテープを使わずハードディスクや専用のカードに録画するビデオカメラが増えている。これは業務用・放送用だけでなく家庭用のカメラでも同じだが、セミナーの内容はもちろん業務用・放送用の話だ。テープを使わないことで映像制作の流れがいかに変化するか、そのなかでAvidをいかに効果的に使うかということが話された。
 この機能をこんな風に使うのかといった発見もあり面白かったが、セミナーの詳細はユーザーでなければ興味がないようなことなので、ここでは省略する。
 以前にも書いたと思うがフィルムとビデオの一番大きなちがいは、フィルムでは見えた一齣の絵がビデオでは見えなくなったことだ。映像が肉眼で見えるか、機械を通さないと見えないかというちがいである。映像が物から記号化した、暗号化したともいえる。テープからハードディスクやカードへの変化はより記号化したといえるだろう。こういったディジタル化によって、映像を加工することがどんどん容易になってきた。今日のセミナーでもそのあたりの様々なノウハウが紹介された。
 私は編集という作業が結構好きで、加工が容易になったことを一方ではとても愉しんでいる。だが、その一方記号化することによって、映像から物質性が失われていくことに危機感を感じてもいる。
 これからどんどん映像の物質性が失われていくにしたがって、映像の物質性ということ自体が視覚芸術の重要なテーマになっていくようにも思う。
 私が映像作品を作るだけではなく、パフォーマンスを行うのは物質と記号という振れ幅の中で映像を考えたいからだ。 
posted by 黒川芳朱 at 21:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ということは、パフォーマンス、期待していいのかな?
Posted by ワタナベ at 2009年09月04日 10:07
もちろんです。ホントは毎日でもやりたいくらいです。
Posted by 芳朱 at 2009年09月05日 03:04
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