2009年09月10日

フィルムをめぐる問題

 仕事の後、夜8時から新宿のルノアールでフィルム文化を存続させる会のメンバーが集まり会合。といっても今日集まったの僕と水由章、太田曜、の3人だけだった。
 この会は、2006年に富士写真フイルム株式会社が、8ミリ映画のフィルム、シングル8の販売現像の終了を発表したことに端を発し、映像の作り手の側からフィルム文化の存続に向けたアクションを起こそうという思いで作った有志の会だ。
 シングル8には低感度のR25Nと高感度のRT200Nがという二つのタイプのフィルムがある。これを平成19年(2007年)3月をもって販売終了、現像サービスは平成20年9月思って終了、ということを発表したのだ。
 その後この会の働きかけだけでなく様々な声が富士に寄せられた結果、平成19年1月10日に「販売および現像サービス終了延期」という発表がなされた。その時、会が確認したところでは、R25Nは約5年、RT200Nは約3年ほどの延期という回答だった。
 フィルムを作り続けるということではなく、2007年の時点で製造し冷凍保存したフィルム少しずつ商品化していく。あくまで「販売終了の延期」のあのだ。そしてその保存の限界が5年、あるいは3年ということなのだ。
 そして今年(2009年)の6月、いよいよ終了時期が発表になった。R25Nが平成24年(20012年)3月、RT200Nが平成22年(2010年)5月をもって販売終了、現像は平成25年(20013年)9月に終了する。
 富士が終了する以上シングル8がなくなることは確定的になった。それを踏まえ、今後どうしていくかということは6月以前から何度か話し合っており、今日もいくつかアイディアを出しあった。だが、ここで発表できるようなことはまだ決まっていない。
 写真も含めてフィルムが急速に市場から消えていく傾向は歯止めがかかれない。だが、フィルムというものを貴重品、文化財といった位置づけでもよいので遺していくことが可能かどうか、これは映像文化にとって重要な問題だ。
 われわれは危機に慣れすぎてしまったようだ。 
posted by 黒川芳朱 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変些末なことで誠に恐縮ではございますが、大田曜ではなくて太田曜です。

フィルムの為に出来ること。

明日から、フランスへ持って行って、この春巡回上映して来た16ミリフィルムの日本の実験映画プログラムを、韓国ソウルの映画祭 EXiS 2009 へ持って行って上映してきます。フィルムで作った映画をフィルムで上映して見せること、これもフィルムと他の映像メディアとの差異を知ってもらう為に重要なことだと思われます。
Posted by 太田曜 at 2009年09月12日 22:46
失礼しました。太った女性が美しいという美学をお持ちの太田様。韓国お気をつけて。
Posted by 芳朱 at 2009年09月13日 01:19
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック