2009年09月13日

『アコム“みる”コンサート物語』に行った

 きのう、高校の文化祭に行った後、電車を乗り継いで浦安市文化会館に『アコム“みる”コンサート物語』というイベントを見に行った。第一部が音楽と影絵のコラボレーション、そして第二部が影絵劇のという構成だ。
 影絵劇団に参加している友人がいる。影絵は映像メディアの原点だと思っているので、前々から興味があった。だが、なかなか見る機会がなかった。久しぶりに彼にあったので、今度いつ公演があるのか聞くと、9月12日にあることを教えてくれて、おまけにチケットまで用意してくれた。
 劇団の名前は「影絵劇団かしの樹」だとおそわり、さっそくホームページを見た。子供向けの公演を行っている児童演劇の総合劇団だという。今回のようなホールでの公演のほか、学校での公演も行っているらしい。また、インドネシアやソ連(おお、なつかしい)など海外でも公演を行っている。
 会場は子供づれ、あるいは子どもだけの集団がたくさんいる。私のように、中年親父が一人というのは稀だ。
 第一部はプルミエというピアノ、ヴァイオリン、チェロによる女性トリオの演奏のバックに、大きなスクリーンがあってそこに影絵が映るという趣向だ。サイレント映画の時代、映画館にはピアニストや楽団がいて、スクリーンに映る映画に合わせて生演奏をしていた。影絵というそれよりもっとプリミティブな映像と音楽のコラボレーション。太古、人人々はどのように影絵を発見し、それを見世物として楽しむようになったのだろう。映像メディアの誕生のころを想像した。
 第二部は「物語の影絵」と題して、佐野洋子の絵本『100万回生きた猫』をもとに作られた影絵劇。スクリーンの脇には先ほどのプルミエのメンバーがいて、生演奏。さらに語り手が登場し、物語を聞かせる。日本独自のサイレント映画の上映方法、弁士、楽団、スクリーンというユニットを連想させる。このコンサート、“笑顔のおてつだい「バリアフリーコンサート」”を謳っているように耳の不自由な方も楽しんでもらおうという趣旨で、語り手の隣に手話で通訳をする人がいる。
 影絵は、ホールでの公演用にかなり洗練された表現になっている。ちょっとみではDVDなどに記録されている映像をながしているのかと思うほど完成度が高い。最後に幕が開いてスクリーンの背後の様子が見えてが、それまでは本当に生なのかと思う瞬間もあった。
 この公演は、子どもあるいは家族向けとして楽しいものだったが、影絵の原初性、ライブ性、即興性に焦点を当てた、アヴァンギャルドな影絵公演はできないだろうか。
 
posted by 黒川芳朱 at 02:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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