2009年09月19日

推敲について

 終わらない終われない。
 あ〜〜〜〜〜終わった。いやだめだ。
 先日お知らせしたWebマガジン『この惑星』の原稿の締めきりだ。
 いや、締め切りは過ぎて伸ばしてもらったのだ。ははは。
 きのう書きあがってはいたのだが、ちょっと長くて気に入らなかった。長さだけの問題ではなく、浮かび上がらせたいものがうまく浮かび上がって来なかった。こういうときは長さという外的制約が文章を締め上げてくれることがある。
 それにしても原稿用紙で文章を書いていたときと、ワープロで書くようになってからでは推敲というものが、かなり違った体験になってきた。原稿用紙時代はとにかく時間がかかった。全文書き直したり、ごそっと文節を移動したりするのときは活かせる部分を切り張りしたり。けっこう激しく推敲するたちなので、苦労した。なぜ激しく推敲するかというと、自分が書いたものにすぐ飽きちゃうからだ。ただ、原稿用紙での推敲が時間がかかる分、文章の中に魂が入りやすかった。ちょうど、粘土で彫塑を作っている感じだ。うまくいきだすと粘土が吸い付いていくように単語が文脈に吸い付いていく。
 ワープロでは細かい字句の修正も、大幅な段落の入れ替えも簡単にできる。だが、これが罠だ。おれのようにすぐ自分の文章に飽きる人間は、書いた先から推敲したくなる。結果全然進まない。そして、文章に一貫した勢いがなくなる。メロディラインが決まらないまま、アレンジばかりあれこれいじっている感だ。レゴで何かを作っている感じにも似ている。
 いけねえ、こんなこと書いている場合じゃない。原稿書かなきゃ。
posted by 黒川芳朱 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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