柳井嗣雄君の展覧会が、二つの画廊で開かれている。ギャラリーヴィヴァンではドローイングが、VIVANT ANNEXEではインスタレーションが展示されている。二つの画廊は名前からもわかるように、同じ系列だ。 柳井君は繊維を使うアーティストで、今回のインスタレーションも針金に繊維をまきつけ、有機的な感じの構造物を作っている。また、ドローイング作品の和紙も自分で漉いたものだという。インスタレーション案内状の写真を見て大きな作品かと思っていたのだが、意外なことに小さな作品だった。自己組織化する繊維の密度と針金で作られたラフな構造が、小さいけれど広がりのある形態を成立させていた。
しゃがんで見たり、離れて見たりしたかったのだが、画廊が狭くていろいろな角度、視点から見られなかったのが残念だ。
ドローイングも、小さいけれど広がりのある空間を形成していた。抽象的な絵だが、和紙は単なる支持体ではなく、墨とアンサンブルする楽器のようだった。
こちらも小さな画廊で、驚いたことに、万華鏡の専門店(販売している)でもあるらしい。ちょっと見た範囲では2、3万円する立派な万華鏡もあったが、もっと高価なのあるのだろう。柳井君の作品を見に行って万華鏡を見るとは予想もしていなかったので面白かった。
ただ、柳井作品はもう少し見たかったなあ。腹七分ぐらいの感じだ。