2009年11月02日

商店街の喫茶店

 近頃街から減ったもの、そのひとつが喫茶店だ。
 喫茶店には二種類ある。珈琲を飲むための喫茶店と、椅子を確保して長時間過ごすための喫茶店。もちろん後者の店の珈琲が美味しければいうことないが、そうなると混むようになる。珈琲一杯であまり粘れなくなる。一定時間たつと帰ってくれといってくるプライドの高い店もあった。かといって、あまり珈琲が不味くても行く気はしない。
 珈琲はそこそこの味で、比較的広くて店員の目を気にせずにすみ、長時間粘れる喫茶店。打ち合わせや原稿を書くために、長時間ねばれる喫茶店は何箇所かは確保しておきたい場所だ。ところが、最近そういった喫茶店が少ない。みんなスタバのようにカフェ形式になっている。
 昔国立にあった「アフリカ」という喫茶店は何の気兼ねもなく長時間いさせてくれるいい店だった。だだっ広くはないが、いつもマスターに見られている感はなく、珈琲も普通だった。友達とだべったり、芝居の台本を書くにはちょうどよかった。
 新宿駅の目の前の「シミズ」なんてのもあったなあ。
 こういったいわゆる名店とは違った喫茶店を思い出すと、街の微妙なディティールが思い出される。
posted by 黒川芳朱 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 都市風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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